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神は死に、人は他者にすがらざるを得なくなった
某軍曹が渇望していそうな事件が、まさか現実に起こるとは。
─天の声
昨日の大航海時代Onlineにて、アフリカ最南端の危険海域・二度の難破・船の耐久度1・積荷食料0・所持金74(一日の航海費用にも満たない)・NPCと会話不可・という死亡フラグ乱立の状態から、皆様の助力により復帰したckckです。
「現地住民を襲う」ってコマンドがあったら、間違いなく実行していましたね。
閑話休題。
今日は昨日からの続きで、「世界の救済<個人の幸福」という価値観が、アニメの世界でどう提示されたかについて論じてみることにしましょう。
歴史に名を残し、今もシリーズが継続し続けているアニメがあるかとなれば、ガンダムがその筆頭にあがります。
その中でも、始祖となった初代ガンダムがガンダム足りえた最大の理由は、「主人公のアムロは特殊な才能(ニュータイプ)を持ち、最強の兵器であるガンダムのパイロットであるが、どこまで行こうとも戦場の駒の一つでしかない」という独自のテーマにあったと思われます。
彼がいかに敵を打ち落とそうとも、自身の政治的な力で戦争を終結に導くことは出来ず、一兵士の限界を超えることはありませんでしたからね。
ガンダムがアニメでありながら高い支持を受けたのは、「人間一人の力では、世界の改革は不可能」という真に現実的な壁が物語の中に存在したからなのです。
次に登場するのは、「新世紀エヴァンゲリオン」です。ガンダム後のロボットものにおいて、最大の支持を得た作品といえば、これの他にないでしょう。
このエヴァのラストを簡潔に表現すると「エヴァのパイロットであるシンジ君が、世界を自由に出来る超兵器を手に入れたにも関わらず、単純に異性の一人から愛されることを望み、それが叶わなかったが故に、人類を巻き込んで自分の世界に引き篭もることを選んでしまう」といった具合になります。十年前の映画版だと、ラストで人類滅亡してしまいますし。
ガンダムの「超兵器を持とうとも、世界を変えることは出来ない」というテーマの逆を進み、かつそれを打ち壊す形で、エヴァは「世界の改革を実現することよりも、他人から愛されることこそが重要だ」という価値観を提示しています。ただ、物語の中で彼の欲求が満たされることはなく、「自己の救済」を願った少年の力によって世界は崩壊するのですが…。
エヴァでは前述の「世界の改革<異性からの愛情」という極めて重要なテーマが提示されたにも関わらず、作中でそれを満たさないことによって「所詮は空想世界の絵空事であり、現実世界からすれば無価値である」という壁に視聴者を叩きつけるという結果に終わりました。
その後、エヴァの影響を色濃く受けた作品として登場する(といってもSFがらみの学園ものですが)涼宮ハルヒの憂鬱では、「『無意識のうちに世界を改変してしまう』という力を持ったヒロインのハルヒが、面白くもない現実に憤って世界を作り変えようとするものの、現実と虚構が入り混じった世界で主人公にキスされることにより、再び日常に回帰する」というストーリーが展開されます。
少々的を外しているかもしれませんが、この作品では、エヴァで失敗した「世界の改革<異性からの愛情」というテーマを成就する形で使用し、かつ「自己の救済」の点も補完したかったのだと考えることができます。
ガンダムから数十年。変容する価値観のなかで、ハルヒは「世界の改革よりも異性から与えられる愛情が重要であり、それによって自己の救済がなされる」というテーマに、「空想世界であったとしても、それなりの価値が存在する」という概念を加えることで、一つの完成形に到達しました。
ゲームであってもアニメであっても、「世界の救済<自己の救済」という考え方は、様々な壁にぶつかりながら進んだ結果、多くの人が持つに至ったものと言えるでしょう。
